特別講演会「異文化コミュニケーション学への招待」を開催しました
鳥飼玖美子客員教授による特別講演会「異文化コミュニケーション学への招待」が、2022 年 3 月 15 日、中京大学アネックス棟コンベンションホール(名古屋キャンパス)にて開催されました。海外ドラマを例に取りながら、異文化コミュニケーションの様々な様相を読み解きながらジェンダーがいかに海外ドラマや映画において描かれてきたかということについて、AI による翻訳・通訳とコミュニケーションの問題についてなど、多岐にわたるトピックについてお話しいただきました。以下に、国際学部言語文化学科 3 年佐光星架さんによる聴講記を掲載いたします。
この度、聴講記を書かせていただくことになりました、国際学部言語文化学科の佐光 星架です。私は、昔から韓国のドラマや映画や音楽がとても好きです。高校の卒業旅行では、韓国に行く計画も立てていたのですが、残念ながらコロナの影響で流れてしまいました。きっと私と同じように、簡単に海外へ行き来出来なくなったことに寂しさを感じている方が世界中にいらっしゃると思います。今回、鳥飼先生の講義では今このような状況の中でも自分に出来る事の視野を広げて頂けた貴重な機会でした。
異文化に触れること、それは自分が他の国へ行くことでしか知ることが出来ないように感じていました。ですが私達はインターネットという高度な文明のおかげで、今や世界中のドラマや映画をスマホひとつで好きな時に好きな場所で見ることができます。海 外ドラマや映画を通じて異文化を覗くことができるなんて本当にいい時代に生まれました! それだけではなく、Netflix は今や韓国ドラマを見ながら日本語字幕だけでなく、韓国語や英語や中国語に切り替えることもできます。ドラマや映画を見ることは使い方によって異文化を知ることや、言語学習にも本当に優秀な教材になると改めて感じました。
鳥飼先生の講演会では「愛の不時着」という日本でもとても有名になったドラマを扱っており、ドラマや映画から学べる異文化コミュニケーションの題材としてわかりやすく教えて頂きました。実は私はあまのじゃくなところがあるので、爆発的に人気になったものをあまり見たことがありませんでした。ただ、講演会後からどうしても気になってしまい「愛の不時着」をみたところ、まんまとハマってしまいました。「愛の不時着」に出てくる異文化の中に、韓国で夜に男女が「ラーメン食べて帰る?」と聞くシーンがあります。この言葉は、直訳ではない意味を含んでいます。日本語でいう「月が綺麗ですね」と同じように、その国独自の表現を知ることができて、面白いと感じま した。今まで韓国ドラマをただ楽しく見ていただけでしたが、ドラマから異文化を知るきっかけになりました。
そして「愛の不時着」と「よく奢ってくれる綺麗なお姉さん」を比較しながら、ジェンダーコミュニケーションの視点でもお話がありました。男女の会話の中で起こりがちな、すれ違いが描かれているシーンを取り上げていたのですが、ちょっとした考え方の違いから言い合いになったり、相手を理解できなくなったりする場面は日常でも頻繫に 起こっていると思います。ドラマを見ることで、男性の視点と女性の視点から分析し、 なぜこのようなすれ違いが起きるのかということも学ぶことができました。ドラマや映画は私たちに沢山の世界観を見せてくれます。そして、それは人間が持つ感情に大きく 影響を与えるものです。多文化多言語社会において必要な要素である「包摂」、「ダイバーシティ」、「共感」、「他者への寛容」、この全てを無理に頭で理解しようとしなくても、 感情移入という方法で自然と相手の立場に立って考える能力を鍛えていけると思いま した。鳥飼先生のお話は本当にわかりやすく、日本にいるまま楽しく異文化コミュニケ ーションを学ぶ方法を教えてくださいました。このような機会を与えてくださった先生 方にも、感謝の気持ちでいっぱいです。色んな視点から物事を見る力を付けることができるように、興 味のある国の作品を見つけて楽しく言語学習や異文 化理解を深める教材として、日常生活で使用していこうと思いました。