講師
亀田 真澄
KAMEDA Masumi
プロフィール
学位 | 博士(文学) |
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所属 | 言語文化学科、複言語・複文化学専攻 |
出身校 | 東京大学文学部、東京大学人文社会系研究科 |
専門分野 | メディア研究、感情論、表象文化論、ロシア・東欧文化、アメリカ文化 |
研究室 | 名古屋学舎16号棟(アネックス棟)305号室 |
担当科目 | 「表象文化論演習」、「映画から学ぶメディア史」、「文化論的メディア研究」など |
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自己紹介
奈良県出身です。学部から博士課程までを東京大学で過ごし、クロアチアへの博士課程留学(ザグレブ大学)、東京大学人文社会系研究科助教、アメリカでの研究員としての派遣(マサチューセッツ工科大学)を経て、中京大学に来ました。博士課程まではユーゴスラヴィアとソ連における政治と文化の関係について研究していましたが、アメリカとソ連の比較へと研究地域を移しました。人はどうやって、新しい考えを受け入れるのか、どうやって説得されてしまうのか、ということに興味があります。最近の研究では「共感」に焦点を当てています。共感をすることは無条件にいいことだとされがちですが、誰か一人に共感することによって、他の多くの人々のことが見過ごされることもあります。共感は、ときに危険なくらいに、人を説得してしまうからです。映画・映像を主な研究材料のひとつにしているので、授業でも映像作品をたくさん紹介する予定です。
- Q
- 趣味や特技は?
- A
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世界の格闘技が好きです。格闘技のなりたちはしばしば、抑圧された少数者たちが抵抗してきた歴史でもあります。権力も武器も持たない弱者たちが、運命に立ち向かってきた歴史を感じられるところが好きです。でも、バイオレンスなものを見るのは苦手です・・。フランスの船員たちが生み出した「サヴァット」とスロヴァキアのユダヤ人コミュニティ発祥「クラヴマガ」は少しだけできます。
- Q
- 学生時代の自分は?
- A
-
海外に行ける機会があれば飛びついていました。授業の一環でフィリピンのスラム街でのフィールドワークに参加したり、リトアニア、ハンガリー、クロアチアでサマースクールに参加したり、欧州バックパック旅行をしたり。あとはいろいろな語学に触れるのが好きで、チェコ語、ロシア語、中国語、ハングル、マレー語、ヴェトナム語などを第三外国語としてやっていました。最近、これらの地域から来た留学生と話していると、突然語彙を思い出すことがあります(もう一度ちゃんとやりたい!)。
- Q
- 時間があったら何をしたい?
- A
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アメリカ滞在中に始めたアメリカ手話(ASL)の勉強をちまちま続けていますが、実際に使う機会が皆無なのでまったく上達しません。アメリカ手話を使える環境で、しっかり学んでみたいです。あとアラビア語ができるようになりたいです(こちらもちまちま独学中)。
主な論文・著書
論文
- Masumi Kameda (2010) Representation of Collective Memory of Communism: Analysis of Grande Narrative and Contemporary Arts in Croatia. History of Communism in Europe 1 (Bucharest: ZetaBooks), pp.105-115.
- Masumi Kameda (2018) Flight and Joyous Life: American and Soviet Propaganda in the Interwar Period. Russian Culture under The Sign of Revolution, Vol. 2, pp. 201-216.
- 亀田真澄「共感の製造-一九三〇年代米ソにおけるライフヒストリー・プロパガンダ」、『思想』2019年11月号、岩波書店、35-47頁。
著書・訳書
『マス・エンパシーの文化史ーアメリカとソ連がつくった共感の時代』、東京大学出版会、2023年
国家建設のイコノグラフィー-ソ連とユーゴの五カ年計画プロパガンダ』、成文社、2014年
- 『アイラブユーゴ』、1〜3巻、社会評論社、2014〜2015年、鈴木健太、百瀬亮司、山崎信一と共著
メッセージ
イギリスの心理学者ウィルフレッド・トロッターは、人間の心をロジック(論理)・プルーフ(通さない性質)な小部屋のようなものだとして「ロジック・プルーフ・コンパートメント」と呼びました。人はどんなことにも自分なりの意見を持っているわけではなく、自分の属するコミュニティで当然のものとされている考えを、そっくりそのまま受け入れがちですし、それを否定されると警戒心を持ってしまうからです。行動範囲が格段に広まる大学生活においては、学内外において、さまざまな事情を抱えた人、異国の文化、自分の慣れ親しんだものとは異なる考え方に出会うことがあると思います。その出会いを大切にすることで、「ロジック・プルーフ」な小部屋から抜け出し、世界にはばたくことができるのではないかと思っています。そのためのお手伝いができたら嬉しいです。
オフィスアワー
木曜3限
オフィスアワー以外の日時も対応可能ですので、事前に連絡をしてください。連絡先:m-kameda@mecl.chukyo-u.ac.jp